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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見される食道平滑筋腫

食道平滑筋腫は、食道においては最も頻度の高い粘膜下腫瘍であり、食道のGIMT(Gastrointestinal Mesenchymal Tumor)の90%を占める。

発生母地は、内輪筋由来が最も多く(74%)、次いで粘膜筋板、外輪筋である。

一般に無症状で、検診や他疾患の精査中に内視鏡検査で偶然発見される場合が多い。

内視鏡所見としては、好発部位は下部食道であり、びらんや潰瘍を伴わない正常粘膜で覆われた隆起性病変として観察され、粘膜筋板由来の平滑筋腫は立ち上がり急峻だが、筋層由来の平滑筋腫はなだらかである。

粘膜筋板由来の平滑筋腫は、病巣部が表層から近くに存在するため生検で診断が可能であるが、筋層由来の平滑筋腫はボーリング生検、EUS-FNAが必要である。

腫瘍の大きさには幅があり、50mm以上の平滑筋腫も稀ではなく多発することも多い。

一般に、平滑筋腫は、超音波内視鏡検査により内部が均一な低エコー腫瘤として描出されるが、内部に出血や壊死を認めれば悪性の可能性を疑う。

良性や無症状の場合は、定期的な経過観察でよいが、有症状や増大傾向がある場合、また径が50mmを超える場合は腫瘍切除が必要となり、粘膜筋板と連続した病変であればEMRまたはESDを行う。

筋層と連続している場合は外科的切除の適応となるが、近年ではPOET(Per-Oral Endscopic Tumor resection)を行うこともある。