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Columnコラム

大腸カメラ検査時に発見される潰瘍性大腸炎に対する青黛

青黛はリュウキュウアイやアイなどの葉や茎から抽出された粉末状の生薬である。

青黛に含まれるインドール系化合物は、人体にも存在する物質であり、多くの細胞・組織に発現する芳香族炭化水素受容体(AhR)のリガンドとして作用する。AhRリガンドは、AhRを発現する3型自然リンパ球に作用し、粘膜治癒促進作用を有するIL-2の産生を誘導するため、腸内細菌叢の変容とともに炎症反応を抑制する。これが、青黛の治癒効果の主なメカニズムのひとつであり、漢方薬として、尋常性乾癬やヘルペス感染症などに使用されており、近年、難治性の潰瘍性大腸炎に対する青黛の有効性も報告されている。

しかし、潰瘍性大腸炎に対する自己購入した青黛の服用による有害事象として、肝機能障害だけでなく、肺動脈性高血圧症や虚血性腸炎また腸重積の発症などが認められ、注意が必要である。

内視鏡所見としては、青黛関連の非特異的腸炎は潰瘍性大腸炎における直腸から連続するびまん性・全周性の炎症粘膜とは異なり、右側結腸に好発する。

虚血性腸炎の限局性の潰瘍を形成する場合や比較的広範囲に粘膜発赤・浮腫状変化を伴う。

また、腸重積を伴う場合は、腸管壁は肥厚し著明な浮腫状変化を伴っている。

このように、青黛は抗炎症作用を有するが、重篤な腸管有害事象を発生するため、潰瘍性大腸炎などの治療には、慎重な投与を必要とする。