2020.08.21
胃カメラ検査時に発見されるバレット食道(LSBE 性差 年齢)
バレット食道とは、本来扁平上皮に覆われている食道下部粘膜が、炎症により胃から連続して円柱上皮に置き換えられた状態を言い、80%が腸上皮化生を含み発癌のリスクが高くなる。
その変化した病変の大きさにより、3cm未満のショートバレット食道(SSBE)、3cm以上のロングバレット食道(LSBE)に分類される。
本邦ではほとんどがSSBEであり、欧米ではLSBEが多いが、最近では本邦においてもLSBEが増加傾向にある。
年率発癌率は、LSBEで0.33〜0.56%、SSBEで0.19であり、LSBEが2倍以上発癌リスクが高い。
また、バレット食道である病変部長径が1cm伸びるごとに発癌リスクがオッズ比1.11ずつ上がるとされる。
欧米では、バレット食道は年率7%の割合で増加を続けている。
性差においては、男性では20歳台から、女性では40歳台からと増加開始の年齢に差を認めており、その結果、バレット食道癌の発生は男性のほうが3.5倍多く、エストロゲンなどの女性ホルモンの関与が原因とされており、本邦でも同様の傾向にある。
また、年齢においては、本邦では高齢者に多く、バレット食道は生涯にわたり高い発癌リスクを有するため、特に男性高齢者における内視鏡検査をはじめとした検査の必要性が考慮されるべきである。