Columnコラム

当院では、大腸内視鏡検査の前処置に従来より主流であるモビプレップに加え、サルプレップも採用しております。現在大腸カメラ検査前の下剤で広く使用されているPEG製剤が2L以上の大量服用を必要としたのに対し、サルプレップは、0.5L〜1Lの低容量で同等以上の腸管洗浄効果を得られることが複数のランダム化比較試験により示されています。この高い洗浄力と低容量化は患者様の負担軽減に直結し、服薬アドヒアランスの改善にも寄与します。実際に、味覚の改良やペットボトル型容器の採用により、嘔気・腹部膨満感といった不快症状が従来製剤より少ないことが報告されています。

安全性については、一般的に忍容性は良好とされていますが、腎機能障害のある症例では高マグネシウム血症や電解質異常を来すリスクがあるため禁忌とされております。また、高齢者や心不全を合併した患者様に対しては慎重な投与が推奨されます。

腸管洗浄の質は大腸内視鏡検査の診断精度に直結し、十分な洗浄が確保されることでポリープや早期癌の検出率が向上することが報告されています。このように、サルプレップは服用負担が少なく、かつ優れた腸管洗浄力によって高い観察精度を担保できる、有用な選択肢と考えられます。