最新の胃カメラであるGIF-H290 は先端部外径が8.9mm、軟性管外径が 8.9mm、挿入部最大径10.7mm の比較的細めのスコープである。

チャンネル径は2.8mmであり、標準的な鉗子デバイスであれば問題なく使用できるが、デバイスを挿入したままの吸引は効果的ではない。

彎曲角度は他のスコープと同様に up アングルが210度、down アングルは90度であり、左右アングルは100度まで彎曲させることができる。

拡大機能は搭載されておらず病変の質的診断の評価の際には不十分となる可能性はあるが、経口スコープのなかでは被検者の苦痛が少ない。

また、スコープ径が細く操作もしやすいため、観察のみでなく内視鏡的止血術などの処置においても有用である。

ただし、副送水口がなく送水ポンプからの送水は使用できないことに注意が必要である。 十二指腸球部にかかる幽門部病変に対して内視鏡的粘膜下層剥離術を行う際、反転して肛門側を処理する場合に球部のスペースが狭いと治療用のスコープであるGIF – Q260J や GIF-H290T で反転できないこともある。

その際には、スコープ径がより細い GIF-H290 を使用すると十二指腸球部で反転でき、病変の肛門側の処理を効率よく行うことができる場合もある。