胃カメラや大腸カメラ検査において画像強調内視鏡が使用されるようになってきている。Linked Color Imaging (LCI) は管腔の大きな胃においても十分な明るさを提供し、組織の違いを色調の違いで表すという画期的なスクリーニング診断法であり、従来の白色光内視鏡では見逃された病変に対しても威力を発揮する。

LCIによる胃癌を診断するポイントとして以下がある。

① 紫色に囲まれたオレンジレッド (一部だけ囲まれていることも多い)である。

②周囲粘膜よりも癌のほうがオレンジ色が濃い、あるいは赤味が加わっている。

③領域性がある。

①~③のような知識があれば、多病変のなかから胃癌あるいは胃癌疑いの病変を拾い上げることができる。

除菌後胃癌の観察でも同じである。

LCI 観察では特に区別しているわけではなく、Helicobacter pylori 感染胃癌と同じような色調コントラストが観察される。

最近は除菌前よりも除菌後胃癌のほうが圧倒的に多い。 ただし、表面構造が regular な症例があるので表面構造だけで診断するのは難しく、上記のような所見を意識して観察していく必要がある。