胃や大腸の腫瘍に比べ小腸腫瘍の頻度は低いが、発見が遅れることが多い。

小腸腫瘍の診断能につき、ダブルバルーン内視鏡(DBE)とカプセル内視鏡(CE)+造影CTを比較し、DBEはCE+造影CTに比べ診断能が優れるが、CE+造影CTのコンビネーションとDBEの間では差がないという報告がある。

そのため、小腸腫瘍を疑った場合、侵襲の低い造影CTを先行させ、CEを行うことで多くの腫瘍はチェックできると考えられる。

CEの場合は複数病変の診断を慎重に行う。

同一病変が繰り返し描出されている可能性もあり、多発例疑いの判断しづらいケースがあるため、他の画像診断と照らしあわせる。

腫瘍の種類では、悪性リンパ腫(濾胞性リンパ腫が最多)、GIST、家族性大腸腺腫症小腸病変などが多い。

消化管出血から診断される腫瘍ではGISTの頻度が高く、上部空腸に多い。

単発の Peutz-Jeghers ポリープ(PJP)も出血の原因になり空腸に多い。

小腸腫瘍の治療は原則として外科的手術であるが、良性のポリープや粘膜下腫瘍の一部(脂肪腫や1cm以下の病変でEUS上第3層までにとどまるもの)はEMRを検討する。