大腸カメラ検査時に発見される大腸MALTリンパ腫には、H.pylori感染が関係している。

H.pylori陽性の直腸MALTリンパ腫が除菌レジメン投与で消失したとの報告がなされて以来、除菌レジメン投与により消褪したという症例報告が続き、またH.pylori陰性の直腸MALTリンパ腫が除菌レジメン投与で消失したとの報告も散見されている。

結腸·直腸MALT リンパ腫に対する除菌レジメン投与、あるいは抗菌薬投与のレビューでは、57.7%に病変の消失がみられたという報告もある。

H.pyloriに関しては、陽性例で50.0%に、陰性例では66.7%に消失がみられ、陰性例であっても同様に除菌レジメン投与が有効な症例が存在することが示された。

抗菌薬で大腸MALTリンパ腫が消失する明らかな機序については不明であるが、H.pylori も含めなんらかの微生物がリンパ腫発症に関与している可能が考えられる。