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Columnコラム

胃カメラ検査や大腸カメラ検査時に発見されるMALTリンパ腫

胃カメラ検査や大腸カメラ検査時に、悪性リンパ腫に遭遇することがある。

その中に、ピロリ菌(Helicobacter pylori(H.pylori)が原因となる疾患がある。MALT リンパ腫は1983年にIssacson らによって提唱された、リンパ濾胞の marginal zone より発生する mucosa-associated lymphoid tissue(MALT)由来のB細胞リンパ腫である。

胃に発生することが多いが、胃以外の消化管、甲状腺、涙腺、膀胱などにも認められることがある。

通常発育は緩徐で低悪性リンパ腫の一つに分類されているが、びまん性大細胞型 B 細胞性リンパ腫(diffuse large B-cell lympho-ma:DLBCL)へ形質転化したり、他臓器へ浸潤する症例が一部に存在する。

Wotherspoonらは1993年に、胃MALT リンパ腫に対してHelicobacter pylori除菌治療を行ったところ6例中5例が寛解したことを報告した。

その後多くの施設から同様の報告が相次ぎH.pylori 陽性胃MALTリンパ腫に対しては除菌がfirst line の治療法と考えられている。

しかし、除菌治療抵抗例やH.pylori陰性例も少なからず存在し、そのような症例の治療方針についてはコンセンサスが得られていない。