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Columnコラム

胃カメラ検査や大腸カメラ検査時に発見されるMALTリンパ腫の病理診断

胃カメラ検査や大腸カメラ検査時にリンパ腫を疑う病変に対しては、鉗子生検を行い、病理組織診断依頼書には、鑑別が必要な疾患名とともにリンパ腫の疑いがあることを必ず明記する。

HE染色で異型リンパ球の著しい浸潤や腺管の破壊像である lymphoepithelial lesion (LEL) を認めた場合はMALTリンパ腫を疑い、各種免疫染色を行って MALT リンパ腫の診断を確定する。

反応性リンパ腫との鑑別が必要な場合は、フローサイトメトリーや免疫グロブリン重鎖の遺伝子再構成の検討が補助診断に有用である。

また、EMRやESDの手技を用いて大きな切除標本で診断する方法もある。

次に、HE染色だけではMALT リンパ腫以外のリンパ腫と誤診することがあるため、各種免疫組織染色(CD20、CD3、CD10、CD5、cyclin D1、BCL-2 など)を行う。

また隆起型胃 MALT リンパ腫では、病変の表層は小型異型リンパ球(low grade)が占めていても病変の深部に high grade 成分(DLBCL) が存在することがあり、必要に応じてボーリング生検や EMR を行う。

さらに可能であれば、H.pylo-ri除菌療法による奏効性や DLBCLへの形質転化の可能性を予測できる染色体転座(API2-MALTI)の有無について検討する。