胃カメラ検査時に発見される胃非腫瘍性病変のうち、(亜)有茎性のポリープの形態を呈した、胃底腺ポリープ(FGP)、過形成性ポリープ(HP)、若年性ポリープ(JP)、炎症性線維性ポリープ(IFP)、異所性膵(EP)、異所性胃腺(HGM)がある。

H.pylori感染率が高かった時代はHPが最も多かったが、感染率の低下に伴いFGPの発見頻度が高くなっている。

さらにH.pylori未感染胃に発赤調ポリープを認めた場合、腺窩上皮型HPなどの非腫瘍性ポリープとラズベリー型胃癌や胃底腺型腺癌を鑑別する必要がある。

またHPとその他のポリープとの鑑別診断が難しい症例もあるが、HPは隆起全体に背景粘膜の表面構造に類似した腺窩上皮や窩間部の開大などの過形成性変化を認め、JPは分葉傾向が乏しく棍棒状で表面平滑、IFPはSMT様隆起で頂部に炎症性びらんを伴うことがある。

EPは、前庭部ではdelleを伴うSMTの典型的な形態を呈しているが、胃体部では丈の高いSMT様隆起や平板状隆起を呈すためGISTなどとの鑑別診断が難しく、EUSでは固有筋層の肥厚所見をすることが多い。

HGMは、H.pylori感染胃では胃体部に多発するびまん型、未感染胃では穹窿部に有茎性の孤発型を認める。

H.pyloriは胃がん症例のほぼ100%に感染または感染既往があるため、胃ポリープを認めた場合、非腫瘍性か腫瘍性の判別だけでなく、ポリープの粘膜性状などからH.pylori感染の有無を調べることも重要である。