胃カメラ検査や大腸カメラ検査時に発見されるポリープには、腫瘍性病変と非腫瘍性病変に分類される。

胃ポリープは非腫瘍性病変が多く、大腸ポリープは腫瘍性病変が多い。

胃非腫瘍性病変のなかで、炎症性線維性ポリープ(inflammatory fibroid polyp IFP)や化膿性肉芽腫(pyogenic granuloma)は遭遇頻度の低いポリープであり、胃底腺ポリープや過形成性ポリープは遭遇頻度の高いポリープである。

すなわち、内視鏡医師の経験に照らして、commonかunusualかuncommonかrareかを判断している。

元来、ポリープ(英polyp、独Polyp、仏polype)とは、粘膜の肉眼的な限局性隆起の総称と定義され、その組織構成成分とは無関係な、あくまで肉眼形態に対しての呼称である。

歴史的には、ドイツの病理学者Max Perlsにより、有茎性のものを指す傾向が強かった。ドイツ医学の影響を強く受けてきた本邦では“polyp”という用語に対しては容易にキノコの形態を想起させる茸腫(じょうしゅ)や息肉(そくにく)という漢字を長らく使用してきている。

その後、臨床系と病理系の学者間での度重なる議論の末、茎がほとんどない(無茎性の)ものや、両者の中間的な(亜有茎性の)ものもポリープの範疇含めることが許容され、ついには粘膜面から突出しているもの(出っ張っているもの)に対する総称として“隆起性病変(polypoid lesion)”という用語が広く使われるようになった。