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Columnコラム

大腸カメラによる高齢者早期大腸癌内視鏡治療における高齢者の理解力

本邦では65歳以上の人口の増加により高齢化率は28.4%となり、75歳以上人口は1,800万人を超え、総人口の14.7%を占める社会となった。

医療において高齢者·超高齢者と区分するかの定義はいまだ議論されているが、近年の老年化現象に関する種々のデータの経年的変化の検討から従来の65歳以上ではなく75歳以上を高齢者の新たな定義とすることが提案されている。

一方、大腸カメラ検査や内視鏡的切除術(ESD)の普及により、早期大腸癌に対する内視鏡的切除が超高齢者に対しても安全に行われるようになっている。

高齢者が中・若年者と異なる点は、早期大腸癌以外にその患者の生命予後を規定する疾患の存在や認知症といった患者背景の割合が大きい。

認知症は年齢とともに罹患率が高まる疾患であり、症状の程度·進行度は個人差が大きい。治療を受けるのは患者本人であり、病状・内視鏡治療の必要性や偶発症に関して、患者家族のみならず本人がどの程度理解できているか、治療を希望し協力が得られるかは適応を検討するうえで重要な因子で ある。