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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見される小児異物に対する緊急胃カメラ

小児の緊急内視鏡の主たる適応は、活動性消化管出血と異物誤飲の二つであるが、異物では特にボタン電池が多い。

最近は、コイン型リチウム電池が市場に出回り、誤飲した場合、サイズが大きく食道に停滞しやすい。さらに誤飲後早期から粘膜傷害が発生するため、緊急内視鏡の適応となる。動物実験では、誤飲後30分以内にコイン型リチウム電池の陰極側は強アルカリ性になり、粘膜損傷が観察される。

このため食道にとどまるコイン型リチウム電池は、症状の有無にかかわらず2時間以内の緊急内視鏡、また、胃から十二指腸に落ちたものでも、吐血などの症状があれば緊急内視鏡の適応となる。コイン型リチウム電池は摘出が遅れると食道穿孔、気管食道瘻、大動脈食道瘻、食道狭窄を合併する可能性がある。

吐血や全身状態が不良な症例、内視鏡的摘出時に深い粘膜損傷を認める症例では、胸部造影 CTやMRIによる合併症の精査を要する。

コイン型リチウム電池では、摘出後も粘膜損傷が進行するとされ、摘出後は入院・絶食にて経過観察するのが望ましい。

マグネットカテーテルを用いたボタン電池の摘出は、鎮静を要せず、誤飲直後の緊急対応として考慮してよい。

摘出困難例や吐血など症状がある場合は、速やかに内視鏡による摘出と粘膜の観察を行う。

処置具の選択は成人とほぼ同様で、把持鉗子、五脚・三脚・バスケット鉗子、スネア、回収ネットなどを用いる。

鋭利な異物の摘出では、先端フードを用いて食道や口腔内の粘膜損傷を予防する。

このように、従来から存在する摘出器具だけでなく、さまざま回収器具なども開発されている。