将来、内視鏡検査現場において、内視鏡医の診断を支援する上で、AIが占める比重は過大なものとなると予想される。

そのため、早期のAI実用化が求められるが、2017年1月に厚生労働省は「保健医療分野におけるAI活用推進懇談会」を開催し、①本邦における医療技術の強みの発揮②本邦の保健医療分野の課題の解決といった2つの視点から、今後本邦でAI開発を進めるべき重点6領域を選定しており、ゲノム医療、画像診断支援、診断·治療支援(問診や一般的検査など)、介護・認知症手術支援の重点6領域が存在する。

画像診断はAIの実用化が最も早いと考えられている医療分野の一つである. 医療用画像の大部分はデジタル化されており、また画像認識では AIは人間の能力を上回っていることから応用できる分野が見い出しやすいためである。

しかし、AIを利用した医療機器の審査基準の場合、開発・承認フローは変わらないが、“改良・修正”という行為が、設計・開発→評価→審査→承認のどのフェーズにも関わってくるという特性がある。そのため、審査・承認の考え方も、変えていく必要がある。

本邦においては、改良が見込まれている医療機器について、 変更計画を審査の過程で確認し、計画された範囲の中で迅速な承認事項の一部変更を認めることにより、 継続した改良を可能とする承認審査制度(improvement design within approval for timely evaluation and notice ; IDATEN) が検討されている。