潰瘍性大腸炎は、増悪と寛解を繰り返す炎症性疾患であるが、長期経過症例においては、病変部粘膜から慢性炎症に起因するcolitic cancerやdysplasiaが発生する危険性を孕んでいる。

潰瘍性大腸炎関連性大腸癌(UCAN)の累積発生率は、発病後20年で2.9〜4.1であり、経過年数と共にUPする。

UCANの発生危険因子としては、①罹病期間が長い ②罹患範囲が広い ③大腸癌の家族歴を有する ④再発を繰り返す慢性難治性の病状経過などがある。

UCANの早期発見のために施行される大腸内視鏡診断においては、拡大内視鏡を併用した色素内視鏡観察によるpit pattern評価やNBIなどの画像強調観察、超音波内視鏡検査などによる総合的な精密内視鏡診断が有用である。