膵臓癌の組織細胞確定診断には、ERCP検査および超音波内視鏡時穿刺吸引(EUS-FNA)が使用される。

ただ、組織細胞診断は非常に難しく、穿刺方法や使用時の針形状、そして病理検査時の染色方法は重要な意味を持つ。

穿刺吸引における正診率は、従来の穿刺とWet Suctionでは83%:94%であり、細胞診における正診率は、ヘマカラー染色とShorr染色では58%:85%との報告がある。

また、組織診断が重要であるAIP、神経内分泌腫瘍、転移正膵腫瘍、悪性リンパ腫における穿刺針形の比較では、ランセットとコアトラップとフランシーンでは65%:50%:93%との報告がある。

このように、通常膵臓管癌において、迅速細胞診では、Shorr染色が有用であり、穿刺吸引法はWet Suction法が有用である。

また、組織診断が重要な疾患における穿刺針形はフランシーンが有用である。

このように、それぞれの手技方法やデバイスを駆使した正診率向上が重要となる。