潰瘍性大腸炎において、治療効果の判定に内視鏡による評価が必要となっているが、内視鏡寛解が得られた症例のなかで、組織学的に活動性を有する症例は臨床的に再燃する割合が多いため、より高い治療目標として組織学的寛解が重要となっている。

そのためには、大腸粘膜を生検により採取し組織学的検査を行う必要があるが、リアルタイムに評価することができず、また生検による出血などのリスクがある。

近年、細胞レベルの超拡大内視鏡(Endocytoscopy system : ECS)であるEndocytoが開発され、リアルタイムに腺管構造や腺管間の細胞分布などを観察することが可能となり、炎症性腸疾患の活動評価にも応用されている。

ECSでNBI観察を行うと、寛解期や軽度の活動性を有する潰瘍性大腸炎では、血管構造が見えないか、微細な血管が確認されるのみであるが、活動性が高度になるにつれて、血管の拡張、口径不同の所見が認められる。

さらに、NBI所見とGeboes scoreには強い相関があり、NBI評価により組織学的寛解の評価が可能となる。

今後、潰瘍性大腸炎における、ECSによるNBI観察のより多くのデータ蓄積による評価が期待される。