大腸CT検査において、ポリープなどの病変は残渣や残渣と同程度の濃度(CT値)を示すため、残渣内に埋もれた病変を診断することができない。

この問題を解決するために、被検者に経口的に造影剤を内服させることにより残渣の濃度を上昇させて病変とのコントラストを明瞭にする。

このような手段をタギングと呼ぶ。

大腸CTの精度を担保するために必要な方法であり欧米のガイドラインでも実施が推奨されている。

電子洗浄は、タギングされて高濃度になった残渣をソフトウェアにより削除し。腸管や病変の軟部濃度を残すことで診断能を向上させる手段である。

ただ、この方法は読影時間の短縮に寄与し、読影者の信頼度を向上させるとの報告がある一方、残渣との境界が不自然に残るため偽陽性が生じる問題点も残されている。

他にも、大腸CTには、CADという最先端技術が装備されている。

CADとは、コンピューター支援診断のことである。

大腸CTでは腸管内の隆起を検出するためのアルゴリズムが開発され、CADの研究が進んできた。

大腸CTのCADは欧米では有用性が報告され、ガイドラインに記載されており、CADは感度を改善し、読影負担を軽減するが特異度を低下させることも示唆されている。

人工知能(AI)やニューラルネットワークを用いたCADも報告されており、今後の展開が期待される。