カプセル内視鏡は小腸検査においては現状の非自走でなくとも観察可能であるが、大腸は管腔が広くまたヒダの凹凸が大きいため見落としの発生が懸念される。

この弱点を補うために前後にカメラ部分を設けているが、検査時間が長くなることや狙った病変を正確に観察できない場合があり、自走式のカプセル内視鏡の開発が待たれる。

特に、胃は袋状の管腔臓器であるため、カプセル内視鏡で観察するには浮遊させる必要がある。

そのために各施設で斬新なアイデアや試みが行われている。

まず、カプセル内視鏡を外部から誘導する手段としては磁気を使用した方法も報告されている。

MRI技術を応用し、患者がMRI装置のガントリ内部に入り磁場によりカプセル内視鏡を3次元方向に動かして検査を行う。

磁場により誘導されるカプセル内視鏡は胃内部に溜められた水を泳ぎながら観察していく。

ただ、この方法は各検査室にMRI様装置が必要となり、また胃内部の水は胃液により混濁する可能性がある。

このように、この検査には、外部装置の縮小化と胃内部の飲用水量の少量化と透明性が担保されなければならない。

最終的には、当院開発中のようなカプセル内視鏡本体に自走能力を持たせる必要があると考えられ、今後さまざまな研究・開発が待たれる。