超音波内視鏡検査(EUS)とは、先端に超音波画像装置が装着された内視鏡で行う検査である。

主に胃粘膜下腫瘍や膵臓・胆道疾患などの病変の診断に使用される。

胃粘膜腫瘍は、胃粘膜の下層に存在する腫瘍で、通常の胃内視鏡による胃内腔からの観察では正常胃粘膜に覆われて充分な検査ができないため、EUSで超音波照射により質的診断を行う。

また、膵臓は胃背部に位置するため、膵臓疾患の診断には、腹部超音波検査では消化管ガスの影響を受けて詳細な検査が困難である。

そのため、胃内部から背部の膵臓に、EUSで超音波を近接照射して膵臓疾患の診断を行う。EUSでは、膵臓癌の診断率は97%と報告されており、腹部CT・MRIなどの検査より、最も検出率の高い検査方法とされている。

胃粘膜腫瘍や膵臓腫瘍が発見された場合、超音波ガイドによる腫瘍部の吸引穿刺が行われることが多い。この超音波内視鏡下吸引生検術(EUS-FNA)とよばれる手技は入院が必要となるが、病理診断まで行うことができ、良・悪性判断が可能となる。