2025.07.13
非刺激性便秘治療薬 モビコールの特徴と使い方
モビコールは、慢性便秘症に対しては使用可能な国内初のポリエチレングリコール製剤です。主成分はポリエチレングリコール(マグコロール4000)の浸透圧効果により、腸管内の水分量を増加させ、その結果、便中水分量が増加、便が軟化、便容積が増大することで、生理的に大腸の蠕動運動が活発化し、自然に近い排便を促します。また、水に溶解し服用するため、適切な硬さの便がみられるまで適宜増減が可能なことも特徴です。
モビコールは酸化マグネシウムと異なり、体内に吸収されにくい薬剤です。そのため、腎機能が低下している方でも比較的安全に使用できます。ただし、過量に使用すると電解質バランスに影響する可能性がありますので、指示された用量を守ることが大切です。モビコールLDは粉薬で、水に溶解して服用する必要があり、1包あたり約60mLの水で溶解し、2包を1日1回服用することが一般的です。症状に応じて適宜増減され、1日1〜3回服用しますが、最大服用量は1日6包(1回4包)までです。
モビコールは、自然な排便リズムを取り戻すための非刺激性・高安全性の便秘治療薬です。腸や神経を無理に刺激せず、ご自身の排便反射を活かして便通を改善します。高齢者、腎機能に不安がある方、慢性便秘にお悩みの方に有用な選択肢となるでしょう。