2020.10.27
胃カメラ検査時に発見される十二指腸隆起性病変
十二指腸病変の内視鏡分類は、肉眼的形態から以下のカテゴリーに分けられる。
① 隆起性病変
② 平坦または陥凹性病変
③ 圧排や狭窄を呈する病変
④ 多彩な内視鏡像を呈する病変
⑤ 乳頭部および副乳頭部病変
① 隆起性病変
(1)表面が十二指腸粘膜と異なる病変
異所性胃粘膜・胃上皮性化生・腺窩上皮型過形成ポリープ・腺腫
Peutz=Jeghers型ポリープ・家族性大腸ポリポーシスに伴う多発性腺腫など
(2)表面が十二指腸に覆われている病変
A.色調変化を伴う病変
十二指腸炎・嚢胞・リンパ管腫・脂肪腫など
B.表面陥凹を伴う病変
神経内分泌腫瘍(NET)・Brunner腺過形成・Brunner腺由来腺癌・異所性膵など
C.表面変化に乏しい病変
GISTなど
② 平坦または陥凹性病変
(1)陥凹主体病変
Ⅱc型腫瘍など
(2)びらんや潰瘍主体病変
十二指腸潰瘍・Zollinger-Ellison症候群など
(3)色調変化主体病変
Angioectasia・動静脈奇形など
③ 圧排や狭窄を呈する病
壁外性圧排・MALTリンパ腫・上腸間膜動脈症候群など
④ 多彩な内視鏡像を呈する病変
十二指腸憩室・胆嚢十二指腸瘻・クローン病など
⑤ 乳頭部および副乳頭部病変
乳頭部腫瘍・副乳頭部腫瘍など
上記については、内視鏡検査時に肉眼的形態・色素撒布などによる診断に加え、ボーリング生検やEUSを用いたFNAなどを行い、慎重な診断・治療の選択が必要となる。