胃カメラ検査や大腸カメラ検査において使用される白色光観察は、内視鏡の先端から青、緑、赤の3原色で合成される照明光で消化管の表面を観察する方法である。

白色光観察のみでは病変の存在、また良性か悪性かを正確に診断することが困難な場合がある。

画像強調内視鏡とは、白色光から光の波長を変換し、消化管の粘膜表面の模様や血管の輪郭、色調を強調する観察方法である。

Red DichromaticImaging(RDI)は、

それぞれ中心波長が異なる赤(Red)、アンバー(Amber)、緑(Green)の3種類の光を照射することで、深部組織のコントラストを形成する新規画像強調技術であり、今後活用の場が広がってくると期待されている。

RDIでは光の吸収特性が異なるRed、Amber、Greenの3色の狭帯域光を用いている。

それぞれの中心波長は630nm、600nm、540nmである。

Red(620~640nm):約1.0~1.5mmの粘膜深部まで進達し、深部血管や粘膜にかかわらず、一定の明るさで表示する。

Amber(595~610nm):約1.0~1.5mmの粘膜深部まで進達し、深部血管を表示する。Green(520~550nm):粘膜深部までは進達せず、表層の毛細血管を表示する。

上記のように異なる特性・波長をもつ3種類の光を照射し、そのヘモグロビンによる吸収率および反射率の違いを利用して、深部血管と表層血管のコントラストを形成している。