大腸カメラ(内視鏡)検査の普及により、大腸癌の早期発見率が向上しており、ESDによる切除基準としてJNET分類が主に活用されている。

JNET分類Type1、2A、3と高確信度で診断された大腸病変は、色素拡大内視鏡診断(pit pattern診断)を省略して治療方針決定が可能である。

一方、JNET分類Type 2Bと診断された病変、あるいはJNET分類Type 1、2A、3でも低確信度で診断された場合にはpit pattern診断の追加が必要である。

JNET分類Type 2BかつIIIs/IIIL/IV/VI型軽度不整pit patternと診断された病変は内視鏡切除の適応であるが、JNET分類Type 2BかつVI型高度不整pit patternと診断された病変は約半数がT1b癌であり、EUSや注腸X線造影検査を追加して治療方針を決定すべきである。

また、JNET分類Type 2Bを不整度によってType 2B-lowとType 2B-highに細分類した場合、Type 2B-lowは腺腫~Tla癌までの病変であり、内視鏡切除の適応になる。

Type2B-lowと診断した病変はpit pattern診断を省略できる可能性がある.

このように、NBIによるJNET分類と色素拡大によるpit patternを併用しながら適切な早期大腸癌切除が可能となっている。