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Columnコラム

大腸ESDにおける問題点

内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD : endoscopic submucosal dissection)は、さまざまな消化管腫瘍に対して標準治療化されている。

2006年に胃ESD、2008年に食道ESD、そして2012年に大腸ESDが保険適用になっている。

標準治療として確立しているが、技術的には難度の高い症例に遭遇する場合があり、特に大腸に関しては、腸管壁の厚みなどの構造的問題により、その適応やアプローチには注意を要する。

そのため、2014年の改定では、大腸におけるESD適用は、①径2cm以上の早期癌②繊維化を伴う径2cm以下の早期癌③径5-10mmの神経内分泌腫瘍と明記されている。

また、2018年の改定では、①術前に内視鏡所見もしくは病理学的に早期癌と診断されたESDを施行した場合②術前に腺腫と診断された場合には、大きさなどに関わらずESDの算定は不可であると記載されている。

腸管壁や管腔などの問題により、大腸におけるESDは胃ESDよりも危険性を伴い苦慮する場合が多い。

大腸良性腫瘍であっても、大きな結節を伴った病変が腸管蠕動による物理的な刺激を受け続けることによって引き起こされた粘膜下層の強い繊維化により、筋層が腫瘍側に強く引き込まれる。

この筋層が腫瘍側に引き込まれた状態(MRsign : muscle retracting sign)はESD時に内視鏡下に視認でき、ポケット法(PCM : pocket createon method )が有用となる。

MRsign(+)の症例においては、繊維化部分の粘膜下層組織をできるだけ伸展し、わずかに残る粘膜下層組織を視認しながら、ヒアルロン酸ナトリウムをはじめとした粘稠度の高い局注液や円錐形状したSTフードの先端が局所の粘膜下層組織に惹起するトラクション・カウンタートラクションが有用であり、粘膜下層を最大限に伸展できる。最近は、これら以外にも多くのトラクションデバイスがか開発されており、今後、大腸におけるESDがより安全に行われると考えられる。