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Columnコラム

胃カメラ検査時に発見されるスキルス胃癌(CT検査)

スキルス胃癌は、著明な潰瘍形成も周堤もなく、胃壁の肥厚・硬化を特徴とし、病巣と周囲粘膜との境界が不明瞭なものと定義され、びまん浸潤型の4型に分類される。

壁硬化や進展不良を伴うだけの病態の場合も多く、胃内視鏡検査時には、送気により、胃体部大湾のひだを十分に進展させ、胃内部全体の硬化状態を調べる必要があるが、癌細胞は粘膜下優位に浸潤するため、初期には診断に苦慮する場合がある。

その場合、スキルス癌は胃内部の硬化状態を惹起する壁硬化に加え、早期に所属リンパ節転移や遠隔転移を伴うため、CT検査は特に有用である。

また、造影CT検査では、動脈相、門脈相、後期相において描出される正常胃壁は、内側の強く増強される層が粘膜層、中間の増強効果の弱い層が粘膜下層、外側の中等度に増強される層が固有筋層、漿膜下層、漿膜に相当するが、スキルス胃癌は豊富な繊維性間質の増生を伴いながら胃壁にびまん性に浸潤するため、癌実質が少なく繊維間質が多い特徴があり動脈相での造影効果が目立たず漸増性の造影効果を呈する。

胃壁深達度評価としては、T1aは通常描出されないが、腫瘍が限局的な粘膜肥厚および異常増強効果として描出され、外側に低吸収層が保たれていれば粘膜下層までの浸潤(T1b)、低吸収層が保たれていなければ固有筋層までの浸潤(T2)、腫瘍異常増強効果が最外層まで及んでおり、かつ漿膜面が整あるいは周囲脂肪織にわずかに毛羽立っていればT3、漿膜面が不整また濃い毛羽立ちがあればT4である。

このように、造影を含めたCT検査は、スキルス胃癌自体の発見に加え、遠隔転移を含む周囲への浸潤・転移だけでなく、原発巣の壁深達度の評価にも有用である。

持続する上腹部痛や違和感に対しては、胃内視鏡検査だけではなく、CT検査を含む画像検査を躊躇なく使用する必要がある。