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腸管ベーチェット病
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icon腸管ベーチェット病( Behcet’s disease )

概要

病態

口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つの症状を主症状とする慢性再発性の全身性炎症性疾患です。
症状によってさまざまな病型に分かれますが、中でも腸管潰瘍を伴うものを腸管型ベーチェット病と呼称します。

※炎症性腸疾患(IBD)の分類に、単純性潰瘍(simple ulcer)を含む場合があります。
ただ、腸管ベーチェット病に酷似した慢性難治性の回盲部潰瘍を認めても、ベーチェット病の臨床徴候を欠如したり、ベーチェット病疑いにとどまる病態であるため、腸管ベーチェット病とほぼ同じ病態の別疾患であるとする意見もあります。

疫学

患者数(2013年度医療受給者証保持者数)は 19,147人です。日本では北海道、東北に多く、北高南低の分布を示します。世界的にみると、日本をはじめ、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国に多く見られ、シルクロード病とも呼ばれています。

患者数は男性よりもやや女性優位です。ただ、症状に関しては、男性の方が重症化しやすく、発病年齢は男女とも20~40歳に多く、30代にピークを示します。

原因

病因は不明ですが、特定の内的遺伝要因がベースにあり、何らかの外的環境要因が作用して発症する多因子疾患と考えられています。
人種を超えてHLA-B51 抗原と顕著に相関するため、疾患感受性を規定している遺伝要因の少なくとも一つはHLA-B51対立遺伝子であると考えられています。

症状

主症状

(1)口腔粘膜の再発性アフタ性潰瘍

口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に円形の境界鮮明な潰瘍ができます。初発症状としてもっとも頻度の高い(98%)症状であり、症状自体は1~2週間で治りますが、何度も繰り返し現れることが多いです。

(2)皮膚症状
  • ①結節性紅斑様皮疹
    下腿伸側や前腕に結節や紅斑様皮疹がみられます。病変部は紅くなり、皮下に硬結を触れ、痛みを伴います。
  • ②皮下の血栓性静脈炎
    下腿などの皮膚表面に近い血管に血栓性静脈炎がみられることもあります。
  • ③毛嚢炎様皮疹、痤瘡様皮疹
    座瘡様皮疹は「にきび」に似た皮疹が顔、頸、胸部などにできます。

参考所見:皮膚の被刺激性亢進

(3)眼症状

重要な症状の一つで、発作性に生じる眼の炎症が特徴であり、通常は両眼が侵されます。

  • ①虹彩毛様体炎
    前眼部病変として虹彩毛様体炎が起こり、眼痛、充血、羞明、霧視といった症状がみられます。
  • ②網膜ぶどう膜炎(網脈絡膜炎)
    後眼部病変として、網膜絡膜炎が起こると視力低下をきたします。 発作が治まれば視機能はある程度改善しますが、繰り返す発作による障害が蓄積されるとついには失明に至ることがあります。
    ただ、抗ヒトTNFα抗体製剤であるレミケードの使用により発生率は減少しています。
(4)外陰部潰瘍

男性では陰嚢、陰茎、亀頭に、女性では大小陰唇、膣粘膜に有痛性の潰瘍を認めます。外見は、口腔内アフタに似ていますが、深掘れになることもあり、瘢痕を残す場合があります。

副症状

(1)関節炎

膝、足首、手首、肘、肩などの大関節が侵され、手指などの小関節が侵されない点で、関節リウマチとは異なります。
病変部は腫脹を認め、非対称性で、変形や強直を残さないのが特徴です。

(2)精巣上体炎(副睾丸炎)

睾丸部の圧痛と腫脹を伴います。

(3)消化器病変

腹痛、下痢、下血などが主症状です。
部位は回盲部が圧倒的に多く、上行結腸、横行結腸にもみられます。
潰瘍は深く下掘れし、消化管出血や腸管穿孔により緊急手術を必要とすることもあります。

(4)血管病変

ベーチェット病を疑い、また血管病変を認めた場合は血管型ベーチェット病と分類されます。圧倒的に男性が多い病型です。静脈が侵された場合は、深部静脈・血栓症が最も多く、上大静脈、下大静脈、大腿静脈などに好発します。
動脈が侵された場合は、動脈瘤がよくみられます。

(5)中枢神経病変

ベーチェット病を疑い、また神経症状を認めた場合は神経ベーチェット病と分類されます。
難治性で、男性に多く、発症から神経症状発現まで平均6.5年です。
急性に発症する場合は、髄膜炎、脳幹脳炎を症状とし、眼病変の治療に使うシクロスポリンの副作用として発症する例もあります。
慢性的に進行する場合は、片麻痺、小脳症状、錐体路症状などの神経症状に認知症などの精神症状をきたします。
慢性進行型は特に予後不良で、神経型と喫煙との関連があるとの報告があります。

検査

内視鏡検査

上部・下部内視鏡検査

食道・胃・十二指腸・大腸などを内視鏡を挿入して観察します。

小腸内視鏡検査

小腸カプセル内視鏡やダブルバルーン内視鏡を使用して小腸の病変を確認するための検査です。

1.小腸カプセル内視鏡
小腸カプセル内視鏡は、超小型カメラを内蔵したカプセルをビタミン剤のように口から飲み込むだけの内視鏡検査です。大きさは26m☓幅11mmです。口から飲み込まれたカプセル内視鏡は消化管を通過しながら内部を撮影します。撮影された画像は、腰に取り付けたデータレコーダーに保存されます。カプセル内視鏡は使い捨てタイプで、排便時に自然に排出されます。保存された消化管画像を読影・診断します。蠕動により腸管を移動し排出されるため、苦痛がほぼありません。

ただし、クローン病は小腸の狭窄を伴うことがあるため、カプセル内視鏡検査をする前に、小腸開通性を確認するために、パテンシーカプセルを飲みます。パテンシーカプセルはバリウム製剤でできた崩壊性カプセルで、排泄がある場合は開存性ありと判断できますが、狭窄により排出されない場合は一定時間内に狭窄部で溶解し液状物質として排出され、腸管の開存性の診断が可能です。

2.ダブルバルーン内視鏡
ダブルバルーン内視鏡は、口または肛門より、スコープ先端とスコープ外筒先端にバルーンを装着した内視鏡を挿入します。バルーンを膨らませることで、スコープやスコープ外筒をそれぞれ腸管の任意の位置に固定し、2つのバルーンを交互に膨らませて、スコープと外筒を交互に進めていきます。バルーンを拡張させた状態で、スコープや外筒を引っ張ることで、小腸をたぐり寄せ、さらに深部に挿入していく内視鏡です。全小腸を観察する必要がある場合は、口と肛門の両側から挿入し観察する必要があります。

CT検査・超音波検査

動静脈病変の診断補助に使用します。

血液検査

炎症反応

白血球数増加、赤沈値の亢進、血清CRPの陽性化、補体価の上昇

遺伝子検査

ベーチェット病ではHLA-B51が陽性(約60%)、A26(約30%)となります。

感染症検査

B型肝炎、C型肝炎、結核の有無を調べます。
治療薬剤には免疫抑制剤があり、感染症を増悪させる危険性があるため、事前に感染症を調べます。

皮膚針反応

皮膚に20~22Gの比較的太い注射針を前腕屈側面の皮膚および皮下組織に刺して、48時間後、穿刺部位に紅斑性丘疹または膿疱(直径>2mm)を認めれば陽性と判定します。
眼症状典型的にはぶどう膜炎が粘膜皮膚症状の数年後に起こり、しばしば慢性、再発性の経過で進行します。

病理組織検査

急性期の結節性紅斑様皮疹では、中隔性脂肪組織炎であり、浸潤細胞は多核白血球と単核球です。初期に多核球を多く認めますが、単核球の浸潤か中心で、いわゆるリンパ球性血管炎の像を呈します。全身的血管炎の可能性を示唆する壊死性血管炎の有無を確認します。

髄液検査

神経型の診断においては、髄液検査における細胞増多、IL-6増加、MRIの画像所見(フレア画像における高信号域や脳幹の萎縮像)を参考とします。

診断

病型診断の基準

(1)完全型 経過中に4主症状が出現したもの
(2)不全型 経過中に3主症状、あるいは2主症状と2副症状が出現したもの
経過中に定型的眼症状とその他の1主症状、または2副症状が出現したもの
(3)疑い 主症状の一部が出現するが、不全型の条件を満たさないもの、及び定型的な副症状が反復あるいは増悪するもの
(4)特殊病変 全型または不全型の基準を満たし、下のいずれかの病変を伴う場合を特殊型と定義し、以下のように分類する。
  • ①腸管(型)ベーチェット病―内視鏡で病変(部位を含む)を確認する。
  • ②血管(型)ベーチェット病―動脈瘤、動脈閉塞、深部静脈血栓症、肺塞栓のいずれかを確認する。
  • ③神経(型)ベーチェット病―髄膜炎、脳幹脳炎など急激な炎症性病態を呈する急性型と体幹失調、精神症状が緩徐に進行する慢性進行型のいずれかを確認する。

重症度分類

Stage Ⅰ 眼症状以外の主症状(口腔粘膜のアフタ性潰瘍、皮膚症状、外陰部潰瘍)の見られるもの
Stage Ⅱ Stage Iの症状に眼症状として虹彩毛様体炎が加わったもの
Stage Iの症状に関節炎や副睾丸炎が加わったもの
Stage Ⅲ 網脈絡膜炎がみられるもの
Stage Ⅳ 失明の可能性があるか、失明に至った網脈絡膜炎およびその他の眼合併症を有するもの
活動性、ないし重度の後遺症を残す特殊病型(腸管ベーチェット病、血管ベーチェット病、神経ベーチェット病)である
Stage Ⅴ 生命予後に危険のある特殊病型ベーチェット病である中等度以上の知能低下を有す進行性神経ベーチェット病である
Stage Ⅵ 死亡(a.ベーチェット病の症状に基づく原因 b.合併症によるものなど原因を記載すること)
  • Stage II度以上を医療費助成の対象とする。
  • Stage I・IIについては活動期(下記参照)病変が1年間以上みられなければ、固定期(寛解)と判定するが、判定基準に合わなくなった場合には固定期からはずす。
  • 失明とは、両眼の視力の和が0.12以下もしくは両眼の視野がそれぞれ10度以内のものをいう。
  • ぶどう膜炎、皮下血栓性静脈炎、結節性紅斑様皮疹、外陰部潰瘍(女性の性周期に連動したものは除く)、関節炎症状、腸管潰瘍、進行性の中枢神経病変、進行性の血管病変、副睾丸炎のいずれかがみられ、理学所見(眼科的診察所見を含む)あるいは検査所見(血清 CRP、血清補体価、髄液所見、腸管内視鏡所見など)から炎症兆候が明らかなもの。

治療

ベーチェット病の病状は非常に多様であるため、すべての病状に対応できる単一の治療はなく、各々の症状や重症度に応じて治療方法を組み合わせていく必要があります。

(1)眼症状
治療は発作時の治療と発作の予防の2つに大別されます。
虹彩毛様体など前眼部に病変がとどまる眼炎症発作の場合は、副腎皮質ステロイド(ステロイド)の点眼や結膜下注射による治療を行い、また虹彩癒着防止のため散瞳薬を用います。視力予後に直接関わる網膜脈絡膜炎では、水溶性ステロイドの後部テノン囊下注射を行い、発作時にはステロイドの局所および全身投与で対処します。発作予防には、コルヒチンやシクロスポリンを使用します。これらの治療でも発作が起きてしまう場合には、抗TNF-α抗体製剤であるインフリキシマブやアダリムマブを使用します。抗TNF-α抗体製剤の高い有効性により、ベーチェット病眼病変の視力予後は格段に改善しています。

(2)皮膚粘膜症状
副腎皮質ステロイド外用薬の局所療法とコルヒチンが基本的な治療です。さらに、口腔内アフタ性潰瘍にはアプレミラスト、結節性紅斑にはミノサイクリンやジアミノフェニルスルホン、毛包炎様皮疹には抗菌薬を使用するほか、難治例にはステロイドや免疫抑制薬を用いることもあります。

(3)関節炎
急性炎症には消炎鎮痛薬、ステロイド内服を、発作予防にはコルヒチンを用い、無効の場合、アザチオプリン、メトトレキサート、さらにはTNF阻害薬を考慮します。

(4)血管病変
ステロイドとアザチオプリン、シクロホスファミド、メトトレキサートなどの免疫抑制療法を主体とし、難治性の場合にはTNF阻害薬を考慮します。深部静脈血栓症には抗凝固療法を使用しますが、肺血管からの出血には注意を要します。大動脈病変、末梢動脈瘤には手術を考慮するが、このさいも免疫抑制療法を併用します。

(5)腸管病変
軽症から中等症には5-ASA酸製剤、中等症から重症例には副腎皮質ステロイド、抗TNF-α抗体製剤の使用を行います。ステロイド抵抗症例例や抗TNF-α抗体製剤無効例などの難治例にはチオプリン製剤の併用を考慮し、腸管穿孔、高度狭窄、膿瘍形成、大量出血では外科手術を行います。

(6)中枢神経病変
脳幹脳炎、髄膜炎などの急性期の炎症には、ステロイドパルス療法を含む大量のステロイドが使用され、再発予防にコルヒチンを用います。
精神症状、人格変化などを主体とした慢性進行型には、メソトレキセート投与を行います。いずれも難治性の場合、再発を繰り返す場合はインフリキシマブを考慮します。
眼病変に使用されるシクロスポリンは禁忌とされ、神経症状が出現した場合は投与を中止します。

予後

眼症状を認めない場合または特殊病型でない場合は、一般に予後は悪くありません。
眼病変は、かつて糖尿病眼症に次ぐ成人失明の原因でしたが、抗TNF-α抗体製剤であるインフリキシマブ(レミケード)が使用されるようにより、大きく改善しています。
腸管型、血管型、神経型に対しても抗TNF-α抗体製剤の有効性が期待されています。

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