2025.08.22
米国で承認 大腸がん一次スクリーニングにおける血液検査(Shield)の可能性
2024年7月、米国食品医薬品局(FDA)は、大腸がんの平均的リスクをもつ成人の一次スクリーニングとして使用できる初の血液検査「シールド(Shield)」を承認しました。
この検査は、血液中に浮遊する無細胞DNA(cfDNA)の特定の変化を調べ、大腸の腫瘍や前がん病変の存在を推測するものです。臨床試験ではステージII以上で感度約80%、特異度約90%と報告され、従来の便潜血検査より高い精度を示しました。ただし、ポリープや早期がんの検出は内視鏡に劣るため、陽性の場合は必ず大腸内視鏡による精査が必要です。
最大の利点は、便を提出する必要がなく採血のみで受けられる点で、心理的負担が少なく、検診受診率の向上が期待されます。現時点では米国での承認段階ですが、今後は便潜血検査・血液検査・大腸内視鏡を組み合わせた検診の個別化が進むと考えられます。
採血による大腸がんスクリーニングは、受診率向上に寄与する新しい方法ですが、最終的な診断と治療には大腸内視鏡が不可欠となります。