大腸内視鏡検査を受ける際の留意点
大腸内視鏡検査を受ける場合、以下についてホームページや内視鏡担当医に確認して下さい。
1「検査実績数や経験値」
大腸内視鏡検査は、屈曲したS状結腸を内視鏡の先端で手繰り寄せながら束ねていき、直線化して挿入します。
この腸管短縮ができないと、内視鏡を押しながら挿入することになるために、S状結腸が過伸展し疼痛が発生します。
この技術力は経験数にほぼ比例するため、施設(担当医)の実績数を調べることが必要です。
2「前処置の下剤服用方法」
下剤の服用方法には、主に、在宅法と院内法があります。
在宅法の利点は、前日の夕食後に自宅で服用し、就寝までに排便を済ませるため、来院後すぐに検査が行えます。
院内法の利点は、検査当日に施設内で服用することにより、正確な排便状態の確認ができますが、排便が完了するまでに2〜3時間を要するため、検査が始まるまでに院内滞在時間が長くなります。
3「検査時の鎮静剤導入」
当院では、独自の解剖学理論に基づく定型的挿入手技(著書あり)により、鎮静剤を使用せずにほぼ疼痛なく検査が終了します。
また、鎮静剤を希望される方には事前にお申し付け頂き、最新の安全な鎮静剤導入による内視鏡検査を行っており、検査中ほとんど痛みは伴いません。
ただ、鎮静剤には、呼吸抑制作用や血圧低下など様々な副作用があり、また、鎮静剤によるアナフィラキシーショックは非常に短時間のうちに重篤な状態に陥ることがあります。
当院では、鎮静剤に熟知している内視鏡医が常勤しており、緊急時に救急及び緊急連絡網に沿った搬送病院との提携体制も完備しています。
4「最先端機器設備」
医師診断能力を補助するデバイスとして、特殊光を併用して病変部を観察するNBI内視鏡が開発されています。
これら最先端内視鏡機器が設置されている施設では、より詳細な早期悪性腫瘍の診断が可能となります。特に、早期大腸癌の発見には非常に有用です。
大腸内視鏡検査では、腸管内に空気を注入して管腔を拡張させて粘膜病変の観察を行います。
しかしながら、過度の空気注入により腸管が膨満すると疼痛が発生します。
二酸化炭素(CO2)は、空気に比べ200倍以上の速さで体内に吸収され、速やかに呼気時に肺から排出されます。
当院では、CO2送気装置を使用し、内視鏡検査時にはCO2を注入して病変部の観察・治療を行なっているため、ほとんど苦痛はありません。
5「検査後の説明」
検査後、大腸の状態・病変の有無・病変の種類や大きさ・切除の有無・切除後の処置などについて、写真添付された書類などが手渡されているかを確認します。
現在は切除後断端を縫合するクリップがあり、20mm前後のポリープは安全な切除が可能となっています。
上記以上の大きさのポリープや早期癌・進行癌に対しては、入院での切除または手術適応となり、詳細な説明がされ、また信頼できる提携先病院への紹介が可能であるなどの確認も必要です。
6「検査後または処置後の緊急連絡体制」
最も重要な事項です。
帰宅後、検査による体調不良やポリープ切除後の出血に対する緊急連絡体制として、施設(主治医)の夜間緊急携帯電話番号などが提示されている必要があります。
以上は、大腸内視鏡検査を受ける際に、特に重要な事項です。これらの体制が整備されている内視鏡施設で検査を受けることをお勧めします。